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2012年6月24 被災地報告
平成24年6月24日 被災地訪問から感じたこと
6月24日に追波川多目的団地で開催された第4回ヘルケアプロジェクトに参加してきました。今回は土曜日の仕事が終わった後に、大宮から新幹線に乗り仙台へ向かいました。普段は車で5~6時間かかる道のりが、わずか90分足らずで到着してしまうから驚きです。
本当にあっという間です。被災地まで遠いと思って足がなかなか向かない人にもこの時間なら、少しハードルが下がるのかな?と思いました。(交通費は片道1万円と割高ですが・・・)
そうは言っても、要は各自の中での優先順位の問題なのかもしれません。
追波川多目的団地の方々は、雄勝に住んでいた方が多く、震災で急に知らない土地に来たけど、みんなと一緒に来れた事はとても心強いとおっしゃってました。ヘルスケアプロジェクトで様々な仮設住宅をまわらせていただきましたが、やはり同じ地区に住んでいた方がそのまま仮設住宅に移られた方々のコミュ二ティーの方が明るいというか活気があるような気がしました。人と人のつながりの重要さを改めて、感じさせられました。また、コミュニティーだけでなく、追波多目的団地は大きな総合公園の中のラグビー場だった場所にあるので私が今まで見た仮設住宅の中でも非常にいい環境にあり、被災者の方たちの中には、今までで一番住みやすくて、元の場所には戻りたくないと言っている方も数多くいました。このような事も活気があることに、多少なりとも影響しているかもしれません。ある意味仕方のない事ですが、コンビニも買い物できる場所もないような山奥にある仮設住宅などと比較すると立地条件の不平等さを感じてしまったのも事実です。
私たちは2011年6月に石巻・東松島に初めて訪問しました。それから、何か出来ることはないかと何も情報もないまま沢山の避難所を回り、様々な人と出会い、紆余曲折して現在に至ります。この1年間被災者の方のためにと思って様々な活動をしてきましたが、被災者や被災地の復興にどれほど役に立てているかわかりません。実際のところほぼ、何にも役に立てていないと思っています。ヘルスケアに参加してくれたある人に言われました。“こんなことして、何か意味あるの?”と。残念ながら、私には意味があるかどうかはわかりません。なぜなら、それを評価するのは私たちではなく被災した方たちであり、私はその方たちに長い時間の中でわずかでも役に立っていてくれれば嬉しいなと思うのみだからです。震災以降、私自身の価値観・考え方は大きく変わりました。人は、どれほど力強いのか、そしてどれほど醜いのか、私たちは社会の中で守られていないとどれほど無力で小さな存在なのか、しかし一方で、その社会はその私たちの一人ひとりのつながりで成り立っている集合体である事など、今までほとんど考えた事がないような事を真剣に考え、気付かされたからだと思います。何か出来ることをしたいと思って被災地を訪問した結果、考える機会をもらえたのだと思っています。
私たちはこの震災から各自がもっと“何か”を考え、学ばないといけないのではないかと強く思います。その“何か”は、人によって違っていても当然いいと思います。ただ、直接自分には関係ないからとか遠い場所の出来事だから考えた事さえもないという人が、一人でも少なくなって欲しいと思っています。
北村良平