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2011年11月27 被災地報告
平成23年11月27日ヘルスケアプロジェクトから感じたこと
今回石巻市大森地区仮設住宅でボランティア活動を行ってきました。大森地区仮設住宅は第1~4団地まであり総戸数は約400戸ほどで、そのすべてに集会所が併設されています。入居している人たちは、石巻市内の各地から来ている人達で、ほとんどのお隣さんは見ず知らずの人たちという状況のようでした。
仮設住宅の人たちにお話を聞くと、物資支援のボランティア、体操教室やお絵かき教室のボランティアやお茶っこ飲みのボランティアとほぼ毎日何かしらのボランティア活動がされているとのことでした。その中でも、物資支援(食料や日常用品などの支援)や体操教室はみなさん楽しみしている方も数多く、かなりの人数が参加されるとのことでした。
実際当日には、私たちの他に3つの団体がボランティア活動をしていました。
そのうちの1つの団体が行っていた炊き出しの活動には、お昼時ということもあって、かなりの人数が集まっていました。仮設住宅から出て、みんなが集まれる機会を作ることは、住民同士のコミュニケーションを深めるには有効な方法であることを再認識させられました。しかし、その一方でボランティア団体がほとんど来ない仮設住宅もあるとのことでした。現地の方のお話では一番小さい仮設住宅で5戸というところもあるそうです。
私も、ボランティアに行くのなら沢山の被災者の役に立ちたいと正直思ってしまいます。さらに現地の方と楽しくお話をしていればいるほど、そのような感覚に陥ります。しかしながら、それは支援者のエゴなのではないかと思ってしまいます。なぜなら、ボランティアも誰も来なく、世間から忘れ去られているような感覚になり本当に寂しい思いをしている人達がいるかもしれないからです。私たちの団体がどれほど大きな団体になっても東京にある限り、すべての仮設住宅の人たちをカバーすることは不可能です。限られた範囲で本当に必要な人に必要なことを支援していくということを常に考えながら、活動をしていく必要性を改めて考えさせられました。
活動の合間に周辺を見て回っていたとき、少年が一人でサッカーボールを蹴っていたので一緒にサッカーをしました。しばらくサッカーをして遊んでいると少年の母親がこちらをにらみながら少年に戻ってくるように言います。しかし、少年はそれを無視して私たちとサッカーを続けます。しばらくすると、母親が少年に先ほどより怒った様子で戻ってくるように言います。そのようなことが小一時間の間に何度か続きました。なぜそのようなことが起きていたのか、詳しいことはわかりません。ただ、母親が少年と被災者ではない私たちが遊んでいることに対して怒っているように感じました。実際、少年が悪いことをして怒っているのなら、私たちに関係なく少年を怒るはずです。少年もそのような母親とのやり取りに慣れているように見えました。
私と一緒にサッカーをしていたメンバーも同じように感じたようです。
現地の方から伺った話では、被災者の方の中にはボランティア団体が来て活動をすることに対してあまり良い感情を持っていない人も多いようです。当事者でもなく、たまにやって来て活動をしていくボランティアに対して、“いったい何がわかるの?”と思われても仕方ないと思います。しかし、その一方でボランティアが来ることを楽しみにしている人がいることも事実です。住民同士のコミュニケーションをとるためにきているボランティアが原因で住民同士に溝ができてしまうことだけはしてはいけません。これは、ボランティア側の住民とのかかわり方に大きな問題があると私は思うので、よく考えて活動をする必要があります。何が一番の目的で重要なことなのかということを忘れてはいけません。
北村良平