Smile With You TOP >> 被災地報告 >> 2011年6月12日 活動報告
2011年6月12 被災地報告
平成23年6月12日被災地訪問から感じたこと
写真を見て頂けるとわかると思いますが、がれきはまだ全くと言っていいほど
片付いていない状態です。復興など、とてもいえる状況ではありません。
まず、がれきを撤去するために必要な重機が圧倒的に
不足しているように思えました。
また、人員も全く足りていないようでした。
遺体捜索問題や思い出の品の事もありますので、仕方ない部分はありますが、
がれきをなんとかしないことには復興など無理だと思います。
今後、早期のがれき撤去を目指して現地の人・ボランティアを含めた人員の投入や重機の投入は必要ではないかと思います。
自治体、赤十字からの義援金はほとんど被災者のもとに届いていないそうです。
平等性など難しい問題も当然ありますが、
これでは全国からの義援金の意味がありません。
生活状況や環境は個々によって異なります。平等をどう捉えるか答えはなく、
平等に支援するというのは不可能に近いと思われます。
個々の状況・環境に応じた義援金分配も必要なのではないでしょうか。
ただ、政府や赤十字などの大きな組織に個々の状況まで把握するのは
難しいと思います。
個々の情報の把握などは、地方自治体とボランティア団体が
協力をして進めなくてはならないのでは、と思いました。
被災地に行ってみるとメディアの情報にはフィルターがかかっていて
不足していると感じました。
残念なことですが世論の大勢を決めるのはメディアであり、
また逆にメディアは世論に反さないような報道をします。
一つの例として震災後は物資の奪い合い、略奪は日常茶飯事だったようです。
メディアの報道を覚えていますか?
略奪など全くないような報道を続けていました。
海外に比べればその発生率は低いのかもしれませんが、
なかったわけではありません。事実を報道するべきだと思います。
被災地でも許されない行為もあったようですし、無責任な人も中にはいます。
頑張っている被災者、そうでない被災者、それらを全て正確に報道することこそが
必要なのではないだろうかと思います。
視聴者はその上で、自分の頭で考えて判断するべきだと思います。
私たちは少しでも多くの人に正確な情報を提供したいと思っています。
これが今回の被災地訪問で一番驚き、問題だと感じたことです。
避難所ごとの食糧事情などに非常に大きな差があることに驚き、
矛盾を感じざるを得ませんでした。
訪問した避難所の中には炊き出しなど非常に充実していて、
お弁当や、炊き出しした食べ物が余って処分しているようなところも
ありました。また、多くの方が外食にでかけ、支給されたお弁当が大量に
余っている所もありました。
逆に、朝はおにぎりかパン一つだけでお昼ご飯はない避難所もあるそうです。
最大の問題点は食料を含めた物資が、あるところからないところに
流れていないことです。
車を持っている人も多く、交通手段がないわけではありません。
もちろん全く流れていないわけではないでしょうが避難所同士の連携が
不足しているのでは、と思われることも多々ありました。
これには被災者にも支援者にも問題があるように思いました。
被災者の支援に対するニーズはかなり変わってきているようです。
何でも必要、という時期はかなりの避難所で終わっているようです。
よりいい環境で生活するためのニーズに変わってきています。
そして支援者もそれにすべて応えるのが正しいというような
風潮があるようにも思えます。
ただし、まだ最低限のものすら不足している所もあるそうです。
全ての避難所の、全てのニーズに応えられれば問題ないかもしれません。
しかし支援する側にも限界はあり、全てのニーズを満たすことが正しいこととも
思えません。まずは困っている所に支援を回し、質の高いニーズは
後回しにさせていただくことも必要なのではないかと思います。
それを行うためにはより精度の高い情報が必要となります。
また、少しでも多くの被災者の方に自立を目指して歩んでもらうことこそが
本当の支援なのではないでしょうか。
自立を目指して日々頑張っておられる被災者の方も大勢いらっしゃいます。
その反面、支援されることを当然の権利ととらえ、自立に向かえない方が
いらっしゃることも事実でしょう。
被災された方がとんでもない人数ですからいろいろな方がいらっしゃるのは
当然だと思います。
それでも一人でも多くの方が自立に向かい、東北を復興させていく必要が
あるのではないでしょうか。被災者もそういった意識を持つことも
大切でしょうし、支援者も自立を促す自立支援を
していかなくてはいけないと思います。
ただし精神的・物資的・経済的にまだまだ自立に向かうのは難しい
被災者の方々もいます。そのような方々には色々な方面からの支援を惜しまず
支援を行っていかなくてはなりません。
その境界線が最も難しく支援者の立場からは判断しにくいところです。
そこを判断するためにはより多くの情報を必要とします。
そして情報を集めるには単発で終わる支援活動では難しく、
被災地に根付いた継続的・長期的支援活動が必要だと思います。
継続的・長期的支援活動を行うためには、支援者側にもそれが可能な体制が
必要であり、そのためには被災者の協力も必要なのではないかと感じました。


これら文章には私的な意見が多分に含まれていますので一つの意見として
捉えていただきたく思います。
木部雅也